●苗について
現在販売している苗は、染め物屋さんより譲っていただいた日本ムラサキの種を秋に蒔き、春に発芽した幼苗です。種から発芽し数日たつと、根は紫色になります。紫根の採取を目的とする場合、初夏までに植え付けを完了すると根茎が地下へゴボウのように真っすぐに育ち、活用しやすくなります。
日本ムラサキは芽出し時期が特に弱い植物のため、輸送に耐えられる状態まで成長したのを確認してからの販売となります。5月下旬の販売開始時は、写真の「6月撮影」と記載している状態でお届けとなります。まだ根回りしておりませんので、茎が15cm程に生育してからの植え付けをお勧めいたします。
●商品詳細
和名:紫
生薬名:紫根(しこん)
学名:Lithospermum erythrorhizon
草丈:30〜60cm程
分類:ムラサキ科ムラサキ属 耐寒性多年草
開花時期:6〜8月
管理場所:日向
●商品説明
万葉集にもたびたび登場する、紫色の語源にもなった歴史深い植物です。奈良時代から江戸時代末期まで栽培が行われてきましたが、現在において自生はほとんど見られず、絶滅危惧種に指定されています。
葉や茎全体に産毛のような毛が生えます。初夏から夏にかけて、えくぼのようなくぼみが可愛らしい、白く小さな花を咲かせます。栽培の難しい植物ではありますが、大事に育てる分成長を楽しみながら草木染めをしたり等長く楽しむことが出来そうです。
根は赤紫色で、古来よりが染め物の原料として利用されてきました。染めると鮮やかな紫色になり、身分の高い人の着衣の色として扱われてきました。染物には2年目の根を利用します。畑で栽培するとゴボウのようなしっかりとした根になります。また、漢方薬の生薬「紫根(しこん)」として、古来より抗炎症作用、創傷治癒促進作用、殺菌作用などがあるといわれており、紫雲膏などの漢方の外用薬として配合されています。
現在、日本には日本ムラサキ(もともと日本にあったムラサキ)と西洋ムラサキの2種類があります。
当店で販売しているのは日本ムラサキです。
●育て方
日当たりで育てます。関東以南など暑い地域では朝日だけが当たるような半日陰に植えましょう。染料として利用したい場合は、初夏までに地植えにすると秋にしっかりとした根が採取できます。
●水やり
表土が乾いたらば与えます。
乾きがちな場所に自生する植物ですが、強い乾燥には耐えられませんので、様子をみてあげましょう。
休眠期中(秋〜早春)は1週間に1〜2回、乾かしすぎないように与えましょう